数え年(かぞえどし)とは年齢の数え方の一つである。生まれた時点を「1歳」とし、以降元日(1月1日)を迎えるごとに1歳加える。数え歳とも、単に数えともいう。これに対し、出生日の応当日(誕生日)の前日午後12時に加齢する数え方を満年齢という。
例:12月31日に出生した場合、出生時に1歳で翌日(1月1日)に2歳となる。また1月1日に出生した場合は、2歳になるのは翌年の1月1日になる。
暦法の場合
元日を基準とするのでグレゴリオ暦の導入以前は暦法により元日が新暦に対し異なる。下記の数え年の計算方法の項を参照。
「数え年」を使用した理由
- 宗教的(仏教など)な考えに基づく理由・・・胎児が母親の胎内にいる期間(十月十日〈とつきとおか〉)も年齢に加算する。[要出典]
- 暦法(太陰太陽暦)による問題・・・太陰太陽暦は太陽暦(グレゴリオ暦)に対して約3年に1回(約19年に7回)の割合で閏月を挿入したため、1年の長さが年によってことなる。よって満年齢を用いるのには問題が生じる。つまり約3年に1回ほど閏月が入ったので、閏月に生まれた者は閏月のない年には(正確な)誕生日がないので満年齢が正確に計算できないため。
満年齢及び「0」の項を参照すると当項目についての理解を得やすい。
数え年の計算方法
- 数え年は生まれた時点の年齢を1歳とし以後、元日が来るごとに1歳を加算する。それに対して満年齢は生まれた時点の年齢を0歳とし、以後誕生日の前日が満了するごとに1歳を加算する。したがって、満年齢と数え年の関係は次のようになる。
※暦法による日付の差異・・・元禄元年1月1日=グレゴリオ暦1688年2月2日
※和暦から換算した西暦の年・・・元禄元年12月10日=グレゴリオ暦1689年1月1日。よって、グレゴリオ暦は年が明けている。グレゴリオ暦を基準とすると数え年が「1」加算されてしまい、当時の文献などと整合が失われてしまう。元禄元年は1月1日~12月29日(グレゴリオ暦1689年1月20日)までを、西暦1688年として考えなければならない(旧暦は奇数の月が30日、偶数の月が29日だったので12月は29日までである)。
数え年の計算例(新暦導入以前に亡くなった人物)
下記の例は没日が1日違うだけだが西暦では年が明ける。
- 和暦から換算した西暦で計算した数え年の例
- 寛永6年閏2月11日(グレゴリオ暦1629年4月4日)生
- 元禄元年12月10日(グレゴリオ暦1689年1月1日)没・・・元禄元年は、1688年で計算する。
- 正:1688-1629=59+1⇒享年60(満59歳没)・・・1を足すのは、生まれた年にとる1歳の分
- 誤:1689-1629=60+1⇒享年61(満59歳没)
- 単純に西暦で計算できる例
- 享年と満年齢が2つ異なる例
- 寛永6年11月17日(グレゴリオ暦1629年12月31日)生
- 元禄元年12月8日(グレゴリオ暦1688年12月30日)没
- 1688-1629=59+1⇒享年60(満58歳没)・・・誕生日前日満了を迎える前に亡くなったので、満年齢では58歳となる。
各国の状況
日本・中国・朝鮮半島・ベトナムの東アジア諸国では古くから満年齢は使われず、数え年が使われてきた。しかし多くの国では満年齢に切り替わり現在は韓国のみで、公的及び民間で広く使われている。日本や中国では公的に廃止されてもしばらくは民間で数え年が使われていたが日本では第二次世界大戦後、中国では文化大革命後、北朝鮮では独立後にほとんど使われなくなった。ベトナムでは植民地時代の間に使われなくなった。
現在、1歳加える日は日本や韓国ではグレゴリオ暦の1月1日、中国では春節(旧正月。時憲暦の1月1日で、日本の旧正月とはずれることがある)である。ただし日本では地方や流派によって、旧正月や立春とすることがある。立春とするのは、本来旧正月としたいところを簡便にするための新しい方法である。
中国語では虚歳という(満年齢は週歳・実歳・足歳)。韓国語では韓国ナイ(ハングンナイ、ナイ=年齢)という(満年齢は満ナイ(マンナイ))。
英語ではEast Asian age reckoningといい、数えで×歳であることはin one's ×th yearともいう。満年齢を特に指す言葉はない。
日本
日本でも古くから数え年が使われていたが1902年12月22日施行の「年齢計算ニ関スル法律(明治35年12月2日 法律第50号)」を受け、満年齢を使用することとなった。
しかし一般には数え年が使われ続けたことから、1950年1月1日施行の「年齢のとなえ方に関する法律(昭和24年5月24日 法律第96号)」により
国民は、年齢を数え年によつて言い表わす従来のならわしを改めて、年齢計算に関する法律(明治35年法律第50号)の規定により算定した年数(一年に達しないときは、月数)によってこれを言い表わすのを常とするように心がけなければならない。
と国民には満年齢によって年齢を表わすことを改めて推奨し
国又は地方公共団体の機関が年齢を言い表わす場合においては、当該機関は、前項に規定する年数又は月数によつてこれを言い表わさなければならない。但し、特にやむを得ない事由により数え年によつて年齢を言い表わす場合においては、特にその旨を明示しなければならない。
と国・地方公共団体の機関に対しては満年齢の使用を義務付け、数え年を用いる場合は明示することを義務付けた。
同法制定の理由は以下の4点である。
- 「若返る」ことで日本人の気持ちを明るくさせる効果
- 正確な出生届の促進
- 国際性向上
- 配給における不合理の解消
このうち、当時切実だった理由は4の配給の問題であった。実際、例えば12月に子供が生まれ翌年2月に「2歳だ」という理由でキャラメルが配給されることなどはよくあった。当然のことながら、生後2か月の乳児にキャラメルを支給しても無意味である。また、満年齢では50代であるのに数え年では60代という理由で配給量を減らされるなどの問題も起きていた。配給量の基礎となるカロリー計算は満年齢を基に算定されていたにもかかわらず実際の配給の現場では数え年を基に支給されていたため、これらのような支障が生じていた(詳しくは年齢のとなえ方に関する法律参照)。
現在でも習慣的に数え年を使用している高齢者は多いがそれ以外の年齢層が数え年を用るのは占いや伝統行事、享年などの限られた場面のみとなっている。
本来、数え年で行われてきた伝統行事である七五三や年祝い(古希・喜寿など)も数え年・満年齢のいずれで祝ってもよいとされていることが多い。この場合、原則として数え年・満年齢のいずれを用いても同じ数字の年齢で行われるが、外的に還暦の場合のみ数え年で行う場合は61歳、満年齢で行う場合は60歳と行われる年齢の数字が異なる。ただし厄年には数え年を使い、「満年齢」を使うことはほとんどない。なお葬祭の際に記す「享年(行年)」は仏式や神道では数え年が使われるが、近年では満年齢が使用されつつある。「一周忌」を除く「年回忌」の数え方は、現在も数え年に準じている。
また、日本の競走馬の年齢(馬齢)も最近まで数え年によっていた。しかし2001年からは馬齢の国際表記に従って、「生まれた年を0歳、(新たに1月1日を迎える毎に)1歳加齢する(=数え年から1を引いたもの)」とすることになった。つまり加齢日は現在も一律に1月1日であり、馬齢=「満年齢」ではない。
数え年、満年齢、周年の違い
- 数え年・・・y年目
- 満年齢・・・y年m箇月(経過した記念日の回数)
- 周年・・・y年後
- 例
- 50年目(数え年)=49年後=49周年
- 13回忌(数え年)=死後12周年。
なお、記念日としての数え年(経歴、入社年数、学年等や没後など)の数え年の加算日はその記念日の応当日(入社日、入学日、没日など)を
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